さて遅筆ブログです。
ようやく3月のお話です。
今さらなのですが、「接骨院の先生はこんな勉強をしてますよ」というのもお知らせしておきたい、というブログです。
去る、3月12日(日)に
第39回・日本柔道整復師会・関東学会 埼玉大会 がありました。
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<内容>
◎特別講演
「大峯千日回峰行」
塩沼 亮潤 先生(慈眼寺住職 大阿闍梨)
…大峯千日回峰行は、奈良県吉野の大峰山の標高1,300mを超える山道を、7年間に渡って千日間、1日48kmも歩き続ける苦行で、1300年で2人しか達成していません。
その一人である塩沼 亮潤 先生のお話でした。
TEDxTohoku 2014でもスピーチされてますので、よろしければコチラをどうぞ。
⇒ 『300年で成功者は2人だけ! 1000日間48kmを歩き続け、脱落者は即切腹…過酷すぎる「大峯千日回峰行」を終えた僧の言葉』 動画
極限状態の中、命がけの修行の先に学び得た「人間として大切なもの」についてお話されました。
◎国際部活動報告
「JICA草の根事業(パートナー型) 日本伝統医療(柔道整復術)
指導者育成・普及プロジェクト
~プロジェクト終了時評価を終えて~」
田澤 裕二 先生
金井 英樹 先生(公益社団法人 日本柔道整復師会 国際部)
…私たち接骨院の先生・柔道整復師のもっとも古来より受け継いできた特殊な技術は、骨折や脱臼を 手術や薬を使わず「骨を接ぎ」、施術するところです。
公益社団法人 日本柔道整復師会では、2006~2008年、2009~2011年、2011~2016年まで、モンゴルで普及・指導の活動をしてきました。
モンゴルは、遊牧民が多く、落馬などのケガが多い割に、病院は遠くて適切な医療が受けれないため、手術・投薬を使わず骨折・脱臼を素手で接ぎ、施術する日本の柔道整復術は非常に役立ってるそうです。今回、モンゴルで日本人指導者がいなくても 日本の柔道整復術(接骨術)がモンゴル人のみで普及できるようにモンゴル人指導者5名、普及員8名が誕生したそうです。 その報告でした。
今の日本の接骨院よりもたくさんの外傷を経験されるでしょうから、追い越されないように私も頑張ろうと思いました。
◎介護保険に関する講習
「2016・柔道整復師と介護保険について」
~柔道整復師の地域包括システムへの貢献~
三谷 誉 先生(公益社団法人 日本柔道整復師会 保険部介護対策課)
…当院でも介護予防事業・短期集中予防(通所型サービスC)を行っています。
◎基調講演
「日整の今後の戦略について」
工藤 鉄男(公益社団法人 日本柔道整復師会 会長)
◎研究発表
●第1発表 「幼児の鑑別困難な上肢外傷の考察」
栃木県・大芦 昌代 先生
●第2発表 「足部アーチ低下症例に対する足趾・踵荷重起立台の適応」
山梨県・山本 啓示 先生
●第3発表 「足底テーピングとSLRの関係について」
千葉県・藤井 英之 先生
●第4発表 「腰部外傷患者に対するストレッチと筋力強化」
群馬県・井浦 将文 先生
●第5発表 「関節制御における伸縮性テープの有効性に対する数値的評価」
神奈川県・山後 恭一 先生
●第6発表 「柔道整復術における古典的施術法」
~橈骨遠位端骨折の固定法より~
茨城県・新井 俊行 先生
●第7発表 「尺骨骨幹部疲労骨折が複数発生した1症例」
埼玉県・寺嶋 竜太 先生
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【発表 感想】
●第1発表 「幼児の鑑別困難な上肢外傷の考察」
栃木県・大芦 昌代 先生
…自分で上手く説明できない幼児の鑑別診断の難しさを、(1)整形外科で捻挫と診断されたがどうやら肘内障(幼児の肘の脱臼)だった例と (2)ご自身のお子さんがレントゲンで骨折が見当たらなかったが実は骨折だった例、をあげて発表されました。 私も似たような患者さんの経験が複数あるので思うところありました。
●第2発表 「足部アーチ低下症例に対する足趾・踵荷重起立台の適応」
山梨県・山本 啓示 先生
…足趾・踵荷重起立台を使い、足部アーチを改善した症例を発表されました。興味深いので私も試してます。モートン病に有効かもしれません。
●第3発表 「足底テーピングとSLRの関係について」
千葉県・藤井 英之 先生
…足底に方向性をもってテーピングして皮膚誘導することで股関節の動きが拡大するかを、健常者20名で実験して有効性があったことを発表されました。
●第4発表 「腰部外傷患者に対するストレッチと筋力強化」
群馬県・井浦 将文 先生
…2~3週間経過した外傷性腰痛の患者さん100人に、『自分で出来るストレッチと筋力強化』を指導し、3カ月間、患者さん自身で実践してもらった研究でした。9割もの人が実行し、8割強が改善したそうです。考察で先生自ら「客観性に欠ける評価ですが」とのことでしたが、海外でも「腰痛は痛みを恐れるあまり動きや姿勢が悪くなり固まる」と言われてますが、今回のように9割もの人が自主的に実践したのは気持ちも体も「前向き」だったことの表れでしょうし、その方向に患者さんを誘導した先生の指導力に感心しました。
●第5発表 「関節制御における伸縮性テープの有効性に対する数値的評価」
神奈川県・山後 恭一 先生
…踵と足底(距骨下関節と舟状骨)をテーピングした場合の身体の安定性を重心動揺計を用いて評価されました。
●第6発表 「柔道整復術における古典的施術法」
~橈骨遠位端骨折の固定法より~
茨城県・新井 俊行 先生
…お爺さまの代から伝承されてきた 古来より伝わる「すだれ(簾のように薄い木の板を等間隔に並べ和紙でまとめた固定材)」を用いた古典的施術法を、実際に手首の骨折に用い考察されました。
●第7発表 「尺骨骨幹部疲労骨折が複数発生した1症例」
埼玉県・寺嶋 竜太 先生
…「尺骨骨幹部疲労骨折」という希少症例の発表でした。軟式テニス独特のバックハンドの打ち方が原因と思われ、疼痛症状など日頃の臨床で見かけるような症状で見落としやすい症例だと思いました。私もぜひ参考にさせて頂こうと思いました。
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皆さま、お疲れさまでした♪
たいへん勉強になりました。
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2016.5.31
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